【部員コラム】第425回「自己犠牲?自己実現?」

こんにちは。私立昭和女子大学附属昭和高校出身、A類国語選修4年、マネージャーの亀井菜々子です。
関東インカレが近づきMVの副音声なんかもして、かなり熱くなっているので読み返したら少し恥ずかしいですが、今の思いです。良ければ読んでください。

3年生の頃に、授業でしきりに「自己実現」という言葉を耳にすることがありました。誤った捉え方をしている気もするのですが、「自己実現こそが人生の目標」といったように自分の中に落とし込まれ、私はそれを受け入れることができないでいました。私がこの言葉を素直に受け入れられなかったのは、私のマネージャーとしての経験が全て否定されたように聞こえたからです。

マネージャーという役割には「自己犠牲」がつきものだと言われます。「自己実現」の反対の「自己犠牲」。
思い返せば時間も、お金も、かなり陸上部の皆さんに捧げました。自分の試合でもないのに朝の5時前に家を出て国士舘に向かい、サポートに来てほしいという依頼があれば、実費でどこへでも行きました。
確かに、自分のために使えるお金や時間を人の自己実現のために使っているのは、自己犠牲と取られてもおかしくありません。
家族や、友達にも「よくそんなことできるね」と言われたし、自分でもよく4年間もやっているなと思います。確かに最初は辛かった。

でも去年の関カレ、1部4継決勝前に選手が出て来た時に味わったあの興奮。自分が走るわけでもないのに、心が震えるあの瞬間。私は自己犠牲によって得られたものでは絶対にないと言い切れます。私は東京学芸大学陸上部のマネージャーの活動を通して、自己実現をしています。

自己実現の醍醐味はきっと、「自分の目標を自分で達成すること」で、選手の皆さんはまだ見ぬ自己実現をしたいという思いから陸上競技を続けているのでしょう。多分それが正しい自己実現の在り方だと思います。でも、きっと、自己実現の在り方はそれだけではない。

誰かの自己実現を助けること、その支えとなることで達成される自己実現。これは4年間サポート側に立った私たちにしか感じられない素晴らしい自己実現の経験です。マネージャーがただの自己犠牲だと思っている人たちには絶対わからないし、自分のための自己実現の素晴らしさを知っている選手のみんなもきっと知らない、私の中でずっと大切にしたい本当に素敵な経験です。
その経験をさせてくれた環境、仲間、そしてそれに気づけたこと、私は大学生活で一番の収穫だったなと思います。

このように自分の4年間を肯定化している私ですが、いよいよ最後の関東インカレを迎えることとなりました。最高に楽しみで不安で楽しみです。みんなどんな自己実現を見せてくれるんだろう!
4日間応援に回るみんなも、きっと、サポートに徹するから見える何かがあるはずです。覚悟を決め、みんなで力を合わせて、ちょっとはっきりしないけど憎めない、4年生の私たちについて来てください。4年生のみんな、ここからが踏ん張りどころだよ!!!

長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました。関東インカレの応援どうぞよろしくお願い致します。
2018年5月23日 亀井 菜々子