1年生コラム「陸上、好きですか」

こんにちは。A 類保健体育コース 1 年、女子短距離ブロックの弥永優希です。東京都出身、東京都在住ですが、私が生まれ育ったのは華やかな都会ではなく東の外れの葛飾区です。葛飾区は金魚の形なので、どこにあるのかわからないという皆さん、Google マップで探してみてください。
今回1年生コラムを書く機会を頂き、お話ししたいことがたくさんあってもう3回は書き直しています。欲張りすぎて長くなってしまいましたが思いをたくさん詰め込んだので最後まで読んでいただければ嬉しいです。

皆さん、陸上は好きですか?

私は大学生になり、たまに思います。「なんで大学生にもなって陸上なんてやっているんだろう」「ほかに面白いことたくさんあるのに」こんなに素晴らしい環境に恵まれて自分で決めたことをやらせてもらえているというのにまったく贅沢な話です。そもそも、なんで、なんて考えている時点で負けなのかもしれません。

思い返せば、私の陸上生活はいつも行き当たりばったりでした。そもそも速くない上に向上心がないというか欲がない私は、遠すぎる夢に希望を持って練習することなんてできませんでした。そんな私が高校1年生のとき先輩に聞かれてとっさに答えた高校陸上の目標を今でも覚えています。
「惜しいところで終わりたくない」
陸上を続ける中で結果を出すことにだんだん義務感を感じるようになり、インターハイに出るとか何秒を出したいとか、いろいろな目標を掲げてきました。ですがあのとき答えたこの目標こそ、私の本心だったなぁと。全国大会というキラキラへの憧れよりも、少しずつでも着実に成長しているという実感こそ私が陸上をやっている意味だったようにも思います。何より忘れられないのは、高 3 の夏、南関東大会のプログラムを開いたときのことです。女子 400 メートルのページに名前が載るのは 8 人×3 組で 24 人だけ。並べたらこれしかいないんだ、この中に自分の名前があるなんて…!それまで無我夢中で走っていて気付かなかったけれど、ひとつひとつ乗り越えてきてこんなところまで来られたのかと。周りを見ればすごい人は死ぬほどいるけれど他の誰が何と思おうと私は自分を褒めてあげたいと思いました。最初は葛飾区の区民大会でビリ争いしていた私ですから。
もしかしたら私、意外と陸上好きだったのかも。陸上が好きな人はみんな練習が好きでインターハイに出たいものだと思っていたから、わからなくなっていたのかもしれません!

そんなこんなでなんとなく続けてきた陸上ですが、大学生になってまで「なんとなく」なんて言っていられません。楽しむも自由、そこそこでやるも自由。導いてくれる人もいないわけですから。そんななかでなぜ大学生にもなって陸上をやるのか。私は、自分と戦い続け、勝ち続けたい。自分への挑戦こそが、ようやく見つけた大学陸上をやる意味です。
自分に勝ち続けることはもちろんですが、自分と戦い続けることは、簡単なことではありません。むしろ私にとっては自分に勝つことのほうが得意分野かもしれません。夢中になって、頑張ることを苦とは思わない、自分の基準をそんな高いところに置いておきたいなと思います。
自分自身と向き合わなければいけない。日常生活から変えなければいけない。妥協できない。書いていて苦しくなってきますが…。でも、極めていって感覚が研ぎ澄まされてきたときって、自分に可能性を感じてワクワクします。まだまだできるって思えます。誰もがたどり着ける感覚ではないと思うし、それがまた良いところです。
でも、頑張れない日もあります。それでも何か意味のある日にすることが大切!みたいです。

もうひとつ、シーズンを経て新たなモチベーションが見つかりました。今までお世話になった方々に、良い報告をすること!結果を出そうとすることへの義務感から抜け出し、1 周まわって、逆に結果にこだわりたいです。大学生にもなってようやく「先生」って思っていた何倍も自分たちのことを見てくださっていたのだと知ることができました。また、違う場所で頑張る後輩たちの結果を祈るように追ったりライブ配信を泣きながら見たりして「応援する側」の気持ちが初めてわかった気がします。
「結果で恩返ししたい」とはよく聞きますが、こんな気持ちなんですね。

そして、大学生になって周りの人のいろいろな想いに触れました。純粋に陸上を楽しみたい。高校時代の自分を越えたい。自分のための陸上じゃなく、喜んでくれる周りの人のため。どれも本当に素敵で、かっこいいと思いました。今まで、結果が全て!インターハイが全て!と思っていたような義務感や少し窮屈さを感じたりせず、それぞれが自分の想いを抱えてこの陸上部が構成されていると思うと新しい世界なのだと実感します。そしてそんなお互いの目標や目的を受け入れて常に周りを気にかける学芸大陸上部の皆さんは本当に素敵です。
今回の 1 年生コラムもみんなの記事が楽しみです。それぞれいろいろな想いがあったりなかったりすると思いますが、コミュニケーションを大切に、大学陸上みんなで完走したいです!

大変長くなってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。