「目標の力」
失礼します。
広島県広島市立舟入高校出身、女子中長距離ブロック4年A類理科選修の藤田一花です。
最初で最後の部員コラムを書かせていただきます。伝えたいことがたくさんあるため、まとまりに欠けるかもしれませんが、ご容赦いただければ幸いです。
このたび、四大学対校戦をもって、大学での陸上競技を事実上引退する決断をしました。
最近、私が強く感じていることは、「目標の大切さ」です。
「そんなの当たり前でしょ。目標くらい誰だって立てるよ」と思う方が多いかもしれませんが、恥ずかしながら私は4年生のこの時期になって、改めてその大切さに気づかされました。
今シーズンの私の目標は「全カレ出場」でした。
シーズンインから全カレ標準の突破を目指して挑戦を重ねてきましたが、残念ながらその目標を達成することはできませんでした。
4年連続で出場させていただいた関東インカレは、全カレ標準突破のチャンスも兼ねており、「4年間の集大成」「ラスト関カレ」「ここで決めないと」など、さまざまな言葉が重くのしかかってきました。プレッシャーに押しつぶされそうになり、夜も眠れず、大会が近づくにつれて涙が止まらなくなることもありました。
関東インカレという大きな舞台で戦えるほどの選手じゃないのに、こんなにも緊張して、プレッシャーを感じてしまう自分を情けなく思うこともありました。結局、思うような結果は残せず、準決勝にも進めず、全カレ標準も切れませんでしたが、それでも、後ろについて様子を見るのではなく、あの大舞台で先頭に立ち、攻めた走りができたことは、本当によかったと思っています。
格上の選手の前に立って走った、あの光景は今も目に焼き付いていて、これから先、ずっと忘れることはないと思います。
達成できなかった悔しさはありますが、「全カレ出場」という目標があったからこそ、きつい練習にも全力で取り組めたし、たくさんの試合に出場して、記録の更新に何度も挑戦できました。目標には届きませんでしたが、自分なりに力を出し切った結果なので、悔いはありません。
正直に言えば、代交代もまだで、対校戦も残っているこの時期に身を引いてしまっていいのか、という迷いもありました。
ですが、心の中に「やり切った」という気持ちが芽生えた今、陸上競技に対する悔いはなく、記録や結果を求められる競技へのモチベーションを見失ってしまったのも事実です。
こうして一区切りを迎えて、改めて思うのは、「目標があるからこそ人は頑張れる」ということです。
それは陸上競技に限った話ではなく、どんなに小さなことでも、自分に合った、自分なりの目標を持つことで、人は前に進もう、頑張ろうと思えるのだと思います。
ということが、今の私が考えていることです。
もし、大学で陸上を続けていなかったら、きっと気づかなかったことだと思います。
このコラムが、少しでも皆さんが“目標”について考えるきっかけとなれば幸いです。
そして、私には今、新しい目標があります。
それは、自然災害について学び、防災の大切さを伝えられる人間になることです。
この目標に向かって、これからはより一層、勉学に励んでいこうと思います。
最後に。
正直、苦しいことの方が多かったです。
それでも、学大で陸上競技を続けて、先輩、後輩、そして同期のみんなに出会えて、本当に良かったです。
ありがとう。楽しかった。
これからは、“一旦”、陸上じゃないことを頑張ってきます。
目標はみんなそれぞれ違うかもしれないけど、一緒に頑張ろうね。
応援しています。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。