第473回「考える」という事

失礼します。北海道函館中部高等学校出身、E類生涯スポーツコース4年の巖翔真です。男子中長距離ブロックに所属しており、800mを専門にしております。今回コラムを書く機会をいただき、ありがとうございます。ここ1年、私は自分の考えを伝えるということを大切にしているのですが、出会う人も限られているので、この貴重な機会を用いて、多くの人に日頃考えていることの一部でも伝えられたら良いなと思います。
さて、参考にしようと過去のコラムを拝見していたのですが、私が個人的に気になったのは「考えて練習する」というものでした。私自身も非常に大切にしていますし、自分なりに得意だとも思っています。時には考えすぎてしまうという短所にもなってしまいますが…。ですので、後輩たちにも求めていることなのですが、なかなか上手くいきません。あるとき同期の倉橋に「どうやって考えているのかを伝えてあげればいいんだよ!」みたいなことを言われたのをたった今書きながら思い出したので、この場を借りて「考える」ということについての今の自分の考えを伝えさせていただければと思います。自分の中での整理の意味も込めて、また誰か一人にでもためになる話になれれば良いのかな。
考えるという行為のためには以下の3つが必要かなと考えています。
一つ目は、知識を身につけるということ。考えるためには材料が必要です。知識は調べれば出てくるから重要じゃないという人も多くなっていますが、最低限の知識が無ければ何をどのように調べれば良いのかも分かりませんし、知識が多いからこそ、調べられる範囲も増え、より多くの知識を引っ張り出すことも可能となるでしょう。
二つ目は、人と話すこと。2番目ではありますが、これが重要かなと思っています。他人と話すことの良いところは、他人の考えと考え方を学ぶことができると同時に、自分の考えを整理することができるところです。話を聞くことは、「このような考え方があるのか」だとか、「この人はこんな考え方をするのか」という出会いを生み、自分の思考の幅と深さの両方を広げてくれるというように考えています。また、話すことは、自分の思考の言語化とも言えますから、今の考えを整理する機会になり、新しい自分の考えと出会うことができると思います。どんなたわいもない話でも構いません。ただし、一人の人だけと話すのではなく、色々な人と色々な話をすると良いのかなと思っています、
最後は、振り返ることです。その日その日に見聞きしたこと、話したこと、学んだこと…。全ての経験を改めて振り返ってみると、特に印象深かったものが思い出されると思います。それこそがその先の思考を形作っていく核となるでしょう。なぜなら、印象深い出来事は、必ず何か思っているか、考えているからです。
よく「思う」と「考える」は全く異なると言う方がいますが、最近私はそこまで切り離すことはできないのではないかと考えています。例えば、物事を考えるきっかけを与えてくれるのは、疑問や驚きといった感情であるからで、考える過程にしても、自分が憧れた人物や印象深かった経験に左右されるのではないか考えたためで、考えるためにはまず「思う」という経験が必要だと思っているためです。
「知識を身につける」、「話をする」、そして「振り返ること」。この3つに意識を向けてみると「考える」という習慣がつくのではないかと思います。陸上のために思考力を身につけたいから、陸上のことだけを考えるのではなく、考えるという行為を習慣化することで結果的に陸上のことについても考える事ができるというのが、近道であり、これから先も使える思考力になるのではないかと思います。
思うままに書いてきたので、少々強引なところもあるかもしれません。様々な批評があるでしょう。ただ、まずはこんな考えもあるんだなという風に思ってもらえれば幸いです。優しく受け止めてあげることも大切だと思います(笑)。
「A man is but the product of his thoughts. What he thinks, he becomes.」
考えるという行為の蓄積によって、思考を豊かにし、人としても豊かになっていけるといいなと。そんな風に思っています。

長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。「話す」ということを話題に上げましたので、もし、私と個人的に話してみたい人がいらっしゃいましたら、是非連絡頂きたいです。その縁を大切にしていきたいと思っています。

P.S.四年生のみんなへ
関東インカレお疲れ様でした。今回の関東インカレを経て改めてこの代で良かったなと思っています。いつもありがとう。次は全カレ!頑張ろう!!