第491回「もう一本」

失礼します。群馬県太田市立太田高等学校出身の中島大空です。E類生涯スポーツコース4年で、男子跳躍ブロックに所属し、走り幅跳びを専門としています。

 

この度はコラムを書かせていただく機会をいただき、ありがとうございます。コラムを書いている今は、関東インカレまであと1週間と少しで迫っていることもあり、僕のラストシーズンにかける思いを綴りたいと思います。

 

「もう一本」この言葉は、走り幅跳びを専門としている僕だからこそたくさん口にして、心の中で何回も言った言葉です。練習で理想の動きに近づくために「もう一本」と何度も何度も繰り返し、いい動きができた時には同じ動きを再現させるために「もう一本」と跳んできました。試合では、ベスト8に残ってさらに3本跳ぶため、「もう一本」のために身を粉にして努力してきました。

 

大学入学してからのこれまでの3年間を振り返ってみると、肉離れや疲労骨折、ヘルニアといったように度重なる怪我によって一本すら跳ぶことが出来ない期間が長かったように感じます。怪我で部活に行きたくなかった時期や仮病してでも休んだこともありました。それでもなお、競技を続けて来られているのは、仲間の支えはもちろん、自分の中で「もう一本」跳びたいという気持ちがあるからだと思います。ただ、その「もう一本」を言えなくなってくるのが4年生のラストシーズンです。仲間と一緒に跳ぶ「もう一本」、試合で跳ぶ「もう一本」ができるのが後どれだけあるか。考えるだけでも少し寂しいような、残された試合で結果を出したいと奮い立たせてくれるような様々な気持ちが込み上がってきます。

 

「もう一本」という言葉には、単なる追加の努力だけでなく、限界に挑戦し続ける意志や情熱が込められています。そして、それはただ自分自身のためだけではなく、ユーモア溢れる男子跳躍ブロックの仲間や応援してくれる人々への感謝と共有する喜びでもあります。競技を通じて支え合い、共に成長し、喜びを分かち合うことの大切さにも気づかせてくれる僕にとって大切な言葉です。

 

そんなラストシーズン、競技を行う上で幾多の困難や挑戦が待ち受けていると思います。しかし僕自身、怪我や苦しい思いを何度もしてきましたが、それらは確実に僕を強くさせてくれました。このシーズンを通じて、「もう一本」を跳ぶことができる喜びを感じ、後悔のない最高の競技人生を送ることが僕の目標です。これまでは、下から入ってくる後輩の背中ばかり見て追いかけるばかりだったけれど今度は僕が背中を見せる番。4年生としてブロック長として迎えるやり直しが効かないラストシーズン。競技人生の集大成として、一つ一つのジャンプに誇りを持ってさぁ、もう一本。

 

長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。