関東インカレコラム「私と関東インカレ」

失礼します。千葉県私立八千代松陰高校出身、混成ブロック4年の清水将貴です。今回、【私と関東インカレ】というテーマでコラムを書かせていただくことになりました。最終学年として臨む関東インカレに向けての思いをここに綴らせていただきます。

2022年5月20日…
この日は嬉しさと悔しさが入り混じった複雑な思いでいっぱいの忘れられない日となりました。昨年の関東インカレ、国立競技場という大舞台で私は10種競技に出場しました。結果は、7025点の自己ベストで第4位。3位とは1点差、2位とは4点差という混戦でした。ずっと目標にし続けてきた7000点を取ることができた嬉しさ、復活の1500mを果たした嬉しさの裏には、あと1点で表彰台を逃してしまったというこの上ない悔しい思いをしました。あと少しで届くはずだった、関東インカレ1部での夢の表彰台は儚く消えてしまいました。その時、様々なタラレバを考えました。あの時あのようにしていれば、あれを跳んでいれば…
変わるはずのない結果を嘆いていました。
ところが、冷静になって俯瞰してみると、1点で逃した表彰台は関東インカレにかける思いだと気付かされました。この試合に臨む前、自分の中にあった目標は入賞できればいいやという軽い気持ちであり、表彰台を遠い存在に置いていました。ランキング的にも実力的にも、強い人たちには勝てないと決めつけていました。
「勝利の女神は最後まで諦めない人に微笑む」、こんな言葉がありますが、この言葉の真意には、最後まで勝ちにこだわり続け、そのために一瞬の気も緩ませないことが勝利をつかむのだと思います。私の目標が入賞であったことから、得意であった1500mの復活を果たし、その嬉しさの余りゴール前で思わずガッツポーズをしてしまうという気の緩みが出てしまったのです。本当にお恥ずかしい話しであり、情けなく思います。ただ、この苦い経験が自分を掻き立てるきっかけとなり、さらに上を目指したいと思わせてくれました。また、最後まで諦めずに闘い抜くことの大切さを改めて肌で感じました。全カレでは最後まで諦めずに、0.1秒速く、1cmでも遠く、にこだわり続けながら競技に臨んだことで、関カレのリベンジを果たすべく、3位入賞することができました。
これにて一件落着…とはいきません。
関カレの借りは関カレで返す!そう意気込んで冬季練へと向かって行きました。

2023年2月1日
暖かくなり始め、冬季練も終わりへと近づく中、走り高跳びの練習中に左膝を怪我してしまいました。医師による診断の結果は、骨挫傷と軽度の半月板損傷。この怪我が治るのには2ヶ月ほどかかり、4月終わりにある学生個人選手権に間に合うかどうかと言われました。正直言って、心が折れそうな気持ちになりました。今年の冬季練は例年よりも、ポイント練習などをこなすことができ、自信と力を着実につけていくことができていただけに、余計に悔しい気持ちでいっぱいでした。
冬季練を迎えるにあたって、来シーズンはまず「学生個人で7300点を取り、ユニバーシアードを決める」という目標がありました。関カレのリベンジという目標も勿論ありましたが、学生個人選手権の試合も同じくらいこだわっていました。練習中は常にこの目標が頭にあり、自分の実力に合った目標ではないが、絶対に達成してみせるという強い気持ちがありました。しかし、その目標にすら挑戦できないかもしれないという現実を突きつけられ、どうしていいか分からなくなってしまいました。それでも、諦めきれず、出るつもりで準備をすすめてくことを決断し、リハビリに励みました。

2023年3月29日
この日は学生個人選手権申し込み締め切り日。リハビリを開始してから、怪我の状態は少しずつ良くなってきました。しかし、未だにジョグしかできない自分に、あと1ヶ月もない学生個人に間に合うのかということを考え始めました。どんなに考えても、間に合うはずがないというのが、結局のところ辿り着く答えでした。そう頭では分かってはいるものの、辛い時も苦しい時もずっとブレずに目標にし続けてきたものをあっさり諦めるという決断ができずにいました。だが周りの仲間に相談する中で、シーズン全体を見た時に、無理をして出場をし、その後に控える試合を無駄にするのはよくないという決断に至りました。この瞬間に、頭を切り替え、学生個人選手権に出場できない悔しさを噛み締めながら5月にある関東インカレに全てをかける覚悟をしました。

2023年4月7日
去年の関東インカレや冬季練での怪我のことを振り返りながら、今このコラムを書いています。怪我をして、思うように良くならず苦しい時間を長く過ごしましたが、ようやく少しずつ走ったり、投げたり、跳んだりできるようになりました。復帰まで2ヶ月かかり、変わり映えのない練習、リハビリが続き心が折れる日もありましたが、仲間のおかげで腐らずやってこれたと思います。焦りから周りが見えなくなって無理をしようとすると本気で止めてくれる仲間、怪我の経過を気にかけて声をかけてくれる仲間、元気づけてくれる仲間、相談に乗ってくれる仲間。いろんな人に助けられました。心から恵まれている環境で陸上ができているなと思う日々です。本当に感謝の言葉しか出てきません。
関東インカレまであと1ヶ月ちょっとです。
これまで支えてきてくれた人、仲間のために全てをこの大会にかけます。プレッシャーを自分でかけるようなことを言っているかもしれませんが、これは腹をくくって覚悟を決めるためのヒーロー気取り、いわば自己満足なのでいいのです。全てをかけると宣言したからには、最後まで諦めずにやり遂げて見せます。そして、関東インカレまでの1日1日を無駄にせず、最高の状態に仕上げていきます。

感謝と覚悟の思いを胸に。
学大は負けない。

混成ブロック4年 清水将貴