関東インカレコラム「がんばるぞ!カンカレ!」

中央大学附属横浜高校出身、東京学芸大学陸上競技部4年、男子中長ブロックの吉川絢斗です。
今回、関東インカレに向けて、執筆することになりました。ぎこちない文章ですが、少しだけお付き合いください。

私はなぜ、まだ陸上競技を続けているのだろう。ふと、このように思うことがある。陸上競技の中でも長い時間きついことを続ける長距離、そして最も過酷な陸上競技とも呼ばれる”競歩”をメインで続けているのは、なぜだろうかと。

競歩が最も過酷と呼ばれる理由は、長距離であるということ、決められたルール内で歩き判定もされること、そしてエネルギー効率が悪いことが挙げられる。エネルギー効率が悪いというのは、時速8km(7’30″/km)を境に歩くよりも走る方がエネルギー効率が良くなると言われている中で、あえて”歩く”ことをするからだ。個人的には、2日間に渡って競技する混成や限界まで心拍数を追い込むミドル、日々のウェイトトレーニングがものすごくきつい投擲、トップスピードを何本もこなす短距離も同様に過酷であるため、どの競技も大差はないと思っているが。

そこは一旦置いておいて、なぜきつい競歩を続けているかの話に戻ると、それは競歩の奥深さが好きだということもあるが、それと同時に仲間と切磋琢磨できるその環境が好きだからだ。きつい練習があっても、それを複数人の仲間とやり遂げた後は、何にも変え難い達成感があるし、ヒーヒー言いながらも仲間とトレーニングに励んで追い込むことも、きついけど楽しい。練習はきついから嫌だけど、本当に嫌いではない。普通の人からしたら変かもしれないが、それが私という人間なのだと思う。そして、その変な人の集まりが陸上競技部ではないだろうか。私は変じゃないと思っている人がいたら、ごめんなさい。けれど、そんな陸上競技部の仲間がいてこそ、この私の好きな環境がある。

残り1年。気づいたら、残り1年になっていた。この陸上競技部にいられるのはあと1年しかない。4年生は引退の時期もやってくるので、実質あと半年くらいかもしれない。私は,中高でも部活での人との縁には恵まれたが,大学でも本当に素敵な人たちと出会えた。そんな同期、中長ブロック、陸上競技部の仲間といられる時間はどんどん短くなっていく。そう考えると、今まで以上にこの東京学芸大学の陸上競技部での時間を大切にしなければと感じさせられる。

そんなことを考えているうちに、最後の関東インカレも残り1ヶ月となっていた。私は、大学に入ってから、大会などで緊張をしてこなかったが、”最後の”という枕詞がつくと、少しだけ背筋が伸びて深く息を吸い込んでしまう。昨年、1つ上の先輩方が”最後の”とつくと緊張すると言っていた話の意味がやっとわかる気がする。そんな最後の関東インカレを、私はこの東京学芸大学の陸上競技部で最高なものにしたい。きっと同じことを同期の4年生も思っているだろう。だから、4年生でない部員の仲間も、この私たちの願望に協力してほしい。きっと部を引っ張っていく立場となった時に、この気持ちがわかると思う。ありきたりな言葉だが、チームで一丸となって頑張ろう。私もレースを誰よりも楽しんで,最後まで全力で歩き切る。

吉川絢斗