第510回「繕わず、泥臭く」

失礼します。富山県立高岡南高校出身、E類生涯スポーツコース4年の西島茉依と申します。現在、女子副主務を務めてさせていただいております。
最初で最後の部員コラム。グラウンドにいればいつも甲高い声で笑っている私ですが、大学陸上は逆境の連続。笑いあり、涙ありの4年間、そして私が大切にしてきた信念について少し語らせてください。

都会への憧れを胸いっぱいにして上京した大1の私は、まさか大学4年間がこのようなことになるとは想像もしなかったでしょう。見事に荒波に巻き込まれ、嵐のごとく波乱万丈な陸上生活を送ることになったのですから。

やはり目標としていた主要大会で‘’結果‘’を残せなかったことには悔しさが残ります。高校までとは異なり、頑張っても報われない現実に何度も心が折れそうになりました。しかし、試行錯誤しながら記録を追い求めることはとても楽しかったです。そんな中、ひどく発症した病気。毎日大号泣。副主務という立場にいながらも、一時期はあたりまえの生活を取り戻すのに精一杯でした。今だからこそ笑って話せますが、怪我もいろいろしてきた中で、それらを遥かに上回る、これまでの人生で一番苦しかった時期でした。

立候補して就任した副主務。頼りなく、情けない部分もお見せしたと思います。支えてくださった方々には感謝しかありません。本当にありがとうございました。
幹部という立場になり、部員みんなのことをより深く知るようになりました。チームづくりのためには、日常の中で交わされる言葉や空気を大切にする必要があると考え、くだらない会話の中にある一人一人の‘’声‘’を大切にしていました。
心から尊敬できる仲間にたくさん出会えたこと、これが学大陸上部に入って最も良かったと思えることです。

どんなに苦しくても、泥臭く、もがき続けました。
「泥臭く生きること」
これは私のモットーの一つです。
自分を繕うことなく、その時の自分の精一杯を出していれば必ず競技者としても人としても強くなれる。誰かが必ず見ていてくれる。応援してくれる。4年間を通して、心の底から実感しました。
失敗する度に成長する新しい自分を見ることができました。
諦めなかったこと、それだけは胸を張って言える気がします。
きれいな花じゃなくてもいい。雑草のようにしぶとく、しっかり根を張って、自分のやり方で陸上人生を全うしたこの4年間は、私にとってかけがえのない宝物です。

引退までのカウントダウンはもう両手で数えられるくらいに。
最後まで、私らしい陸上人生を、大好きで最高で最強な仲間と共に駆け抜けたいと思います。