【部員コラム】第457回「自分を受け入れるということ」

 失礼します。埼玉県私立昌平高等学校出身、B類保健体育専攻岩田芽生です。一応、女子短距離ブロックに所属しており、200m、400mを専門としています。拙い文章になってしまうと思いますが、今回このような機会を頂けたため、大学生になり、陸上競技部での活動が思うようにできなくなってしまった私が、その間に考えたことを綴っていきたいと思います。
 私は大学生になってから3年間、推薦生であるにも関わらず、陸上競技で活躍どころか活動すらもできていない状況でした。このようになってしまったのは、小学生から高校生での陸上競技の向き合い方が原因の一つだったのかと感じます。まず、私は足が速いこと唯一の特技であり、それが理由でよくわからぬまま陸上クラブに入り、小・中学生で、たまたま大会で良い成績を出すことができ、周りに期待されてきました。しかし、期待されるということは、嬉しいことである反面、自分に自信がない私にとってはそれが大きなプレッシャーになってしまい、高校生になる頃には「結果を出さなければいけない」という気持ちが無意識のうちに頭の中を支配してしまっていました。このように、結果至上主義となり、余裕がなくなってしまった私は当然のように、高校生最後のインターハイの予選で終わってしまいました。ここで、完全に自信をなくし、自分は何をしても無駄だという、学習性無力感に陥ってしまったのだと思います。このような状態のまま大学生になってしまったことで、陸上競技をいくら頑張ろうと思っても頑張ることができなり、何もできなくなっていく自分を責め、挙句の果てには周りから責められているような訳の分からない妄想に取り憑かれてしまうようになりました。そのような状態が続いたため、当たり前のように精神的に追い詰められ、陸上競技で活動ができなくなってしまいました。
 この後、休学をした後、部活に復帰をし、何度も休んだりしながら陸上競技を続けてこられましたが、この経験の中で、どんな自分も受け入れることの大切さを学びました。私は今まで、些細なことでも自分に悪いところがあると、それを受け入れることなく、責めることしかできていなかったと思います。それが、陸上競技でも良い結果を出せなければ許されないという考え方で、陸上競技に対して結果を求めるという向き合い方しかできていないことに繋がっていました。自分の悪いところを責め続けても現状は何も変わりません。それは、寧ろ意味のない行為であり、それよりも自分の悪いところも受け入れた上で、現状を理解し、今できることは何かということを考えた方が成長でき、前に進むことができるのではないのかとこの経験で気づきました。
 私はこれから4年生になり、今年でラストシーズンを迎えます。陸上競技に対して結果だけを追ってきた私ですが、このまま陸上競技に対してネガティブな気持ちのまま終わりたくはないと感じています。私は、走っているときの風を切る感覚や、地面を蹴って前に進む感覚がとても好きですし、辛い思いを沢山しましたが、陸上競技を嫌いになりたくはないです。そのため、個人的には、最後は何にも囚われずに自由に走って終わりにすることを目標としています。
 最後に、どこまでも自分勝手で、学大の陸部に対して何の役にも立っていませんが、他の部員達はとてもいい人ばかりで、こんな私でも受け入れてくれることをいつも感謝しています。今まで活動ができなかった分も今年は少しでも取り戻せるように、私らしく頑張っていきたいです。