【部員コラム】第458回「相乗効果」

 失礼します。香川県立丸亀高等学校出身、A類保健体育選修3年の好永雄統と申します。現在、男子跳躍ブロックで走幅跳をしています。コラム担当の機会をいただけたので、私の入部への流れとそこから現在までにおいて感じたことを書きたいと思います。大変恐縮ですが、読んでいただければ幸いです。
 みなさんはなぜ陸上競技を続けているのでしょうか。1年につき1000時間(練習3h+移動・準備・ケア等で1h、計4h。週5回)という膨大な時間を注いでいるのですから、相当な理由があると思います。それは人それぞれだと思いますが、大きく分けて次の2つではないでしょうか。①陸上競技のことが大好きだから。②そこで自分なりの何かを成し遂げたいという欲求があるから。私は高校まで怪我ばかりだったこともあり、自己ベストも高1時のまま引退となりました。このままだと不完全燃焼で後悔すると思い、大学でも陸上競技部に入りました。つまり、私は②を動機にしています。
 しかし、私の大学陸上は入学前に思い描いていた状態には程遠いものでした。2年の前半までは、自分の部員や後輩として至らない点が多かったこともあり、先輩方との関係も決して良いものではありませんでした。正直グラウンドに行くのが嫌で記録も伸び悩みました。2年の冬からは改善され、徐々に練習の調子も上がりました。優しい先輩、同期、後輩に恵まれていたこともあり、良い練習も積めて臨んだ昨シーズンでした。ところが、コロナの影響で試合がほとんどなく、限られた試合で結果を残すことができませんでした。そのまま教育実習に入ってしまい、正直その後の秋シーズンは諦めていました。そのような中、実習直後の日体大記録会で走り高跳びのI・R君が見事2mで自己ベスト更新を果たしました。また高校の恩師が110m障害で4年ぶりに自己ベストに並んだということを新聞で知りました。それに奮起したこともあってか、その1週間後に私も5年ぶりに自己ベストを更新することができました。
 そこで陸上競技の記録向上には自身の諸状況、そして他人との間で相乗効果があると感じました。自分自身の精神状態が良くないと、記録向上の妨げになる半面、良い状態を築けていると練習の質も上がります。また、仲間や知り合いなどが活躍すると自分もやってやるという気持ちになり、その逆も然りということです。今年は私にとって最終年です。今度は私自身が跳躍ブロックを盛り上げ、跳躍ブロックが東京学芸大学陸上競技部を盛り上げていけるように、仲間とともに刺激し合っていきたいと思います。