1年生コラム「過去の栄光」

僕が陸上を始めたのは中学 1 年生の頃。それまでは野球少年だったが、肘の怪我より 7 年間続けていた野球をやめて陸上競技部に入部した。先輩の勧めで陸上ノートを作り、3 年間の目標として「個人での関東大会出場」を掲げ、ノートの表紙に書いた。しかしそんな目標とは程遠く、中学 1.2 年生の頃はなかなか結果を出せず、2 年間で一度しか県大会に出場できなかった。中学 2 年生の秋に部長に任命されたが、部長でいながら県大会に出場できていないことがとても悔しくて、冬季練習で短距離ブロックに混ざってとにかく走ったのを覚えている。中学 3 年生のシーズンでは、初戦で PB を 70 ㎝以上更新。県春季大会では決勝に残れるまでに成長した。関東大会出場権がかかった通信大会。栃木県では、優勝者が出場権を確実に獲得でき、2.3 位の選手は過去の成績も加味して出場権を獲得できるかどうか決まる仕組みだ。4 位の選手でも関東大会に出場できるチャンスはあるが、過去の県大会での成績が圧倒的に乏しい僕は、優勝することでしか関東大会に進めないことはわかっていた。優勝を意気込んだ試合の 1 次予選で、調子が上がらずに 5m64。終わった。スタンドで見ていた両親や祖父母だけでなく、試技を終えた僕でさえそう思った。しかし全体 12 位で何とか 2 次予選に進み、3 本目で 6m20 を跳んで PB を 13 ㎝更新。全体 3 位まで浮上した。決勝では、ライバルたちがどんどん記録を伸ばしていくのを見て、「関東大会出場の壁は高いな。」と感じていた。しかし、決勝 2 本目(合計 8 本目)の跳躍でビッグジャンプが出た。僕は着地した瞬間、無意識に小さくガッツポーズ。記録が表示され、会場が少しどよめいた。記録はなんと 6m37。1 ㎝という僅差で、無名の僕がトップに立った。その後はこの 1 ㎝を守り抜き、県大会優勝と同時に関東大会出場が決まった。

これほどかっこいいストーリーがあるだろうか。我ながら当時の自分に感心してしまう。

今回は「過去の栄光」というタイトルで皆さんに僕の自惚れ話を聞かせてしまったが、これからはこんな過去の栄光にすがることなく常に自分と戦い、自分の中での過去最高を更新し続けていきたい。

拙い文章ながら、ここまで読んでくださりありがとうございました。
B 類保健体育コース 大山圭亮