第481回「谷でも満開の桜咲きます」

この度コラムを執筆させていただくことになりました。静岡県立伊豆中央高校出身、女子短距離ブロック4年の鈴木さくらです。先日行われた27大学対校戦にて、陸上競技を引退いたしました。小学校4年生の時に陸上競技を始め、人生の半分以上を陸上競技と過ごしてきたと思うとなんだか切ないです。大学に入ってからうまくいかないことの方が9割を占めてましたが、間違いなく一番楽しかったといえるのは、チング(親友)達のおかげですね!

 

結局、大学ではベストを更新するどころか、関東インカレすら出場できずに終わりました。大学1年生時の自分はきっと、「情けない。」とがっかりするでしょう。だけど、大学陸上ではそれ以上にたくさんのたくさんの、今まで経験することがなかった感動だったり楽しさだったり、ほんとうに特別な青春を過ごすことができました。私の青春、少し語らせてください。

 

1年目はコロナが大大大蔓延していたため、仲間と一緒に練習することすら難しい状況でした。9月に行われた関東インカレで、「はじめまして!」の会話がやっと始められたくらいです。その関東インカレで一番印象に残っているのは、どしゃぶりの雨の中、やり投げに出場していた先輩が投げ終わった後にスクリーンいっぱいに写し出されて、1年女子一同盛り上がったことです。ほんとうにかっこよかったよね。

2年生になると対面の授業や練習の制限が緩和され始めたため、少しずつ友達も増えていきました。やっと大学生らしい生活が送れるようになり、毎日楽しくて仕方ありませんでした。私、最初から素を出せるタイプではなくスロースターターなので、この1年間でかなり変わったと思います。素の自分を出せる友達の存在って、すごく大切です。これは結構強く伝えておきます。あと、部活、人間関係、恋愛などなど、たくさんの失敗を経験したのは、この時です。

3年生はもう、もう病んで病んで。自分こんな豆腐メンタルだった?ってくらい色々なことに敏感になってしまった時期でした。こうなった原因が思い当たらないので、本当に謎なんです。誰にも会いたくない、誰ともしゃべりたくない、そう思うことがだんだん増えていき、無理して部活に行っていたらついに充電きれちゃったときがあって。その日は集合日だったのですが、ベッドから起き上がれず体調不良と嘘をついて休みました。だけど心配して同期が家まで来てくれて。眉毛もかかずに家から出て、その子たちの顔見たらなぜか涙流してました(笑)「そういう時こそうまいもん食べなきゃ」と、その場の流れで次郎系ラーメンを食べに行くことになり、集合も出ていないのに罪悪感に駆られながらカウンターでラーメンを貪りました。当時の幹部さん本当にごめんなさい。自分のSOSに手を差し伸べてくれる友達という存在が、本当にありがたかったです。

そんな3年間を過ごし、4年目はひたすら「最後の」がすべてのイベントについてくるので、全部必死でした。全部全力でした。みんながひたむきに頑張る姿がまぶしくて、キラキラしていて、そんな姿を身近で見れることが自分にとって最高の贅沢でした。4年間陸上競技部にいたから、みんなのことがより一層輝いて見えるんだろうなと思ったら、あの時辞めなくてよかったなとか、あの時逃げずに300m走って良かったなとか、自分の選択に間違いなかったなとか、後悔する出来事なんて一つもありませんでした。引退試合である27大、最後のレースは大学生活で1度も走ったことのないマイルで締めくくりました。ほんっとうに走って良かった!!って今では胸を張って言えます。唯一の短女同期であるまやちゃんにケツ叩かれながらここまでやってきて、頼りない私だったけど隣で一緒に頑張らせてくれて本当にありがとう。という気持ちを込めてバトンを突き出しました。

 

陸上は個人競技ですが、個人プレーだったら私はここまで続けてこれませんでした。今年に入り、「チーム力」という言葉を耳にタコができるほど聞いてきました。タコができるほど、というのは悪い意味ではなくて、言葉だけでなく部員一人一人の行動から「チーム力」という言葉が感じられるからです。学大の魅力はそこにあると思います。

部室に掲げた私の志は、「満開」でした。満開の笑顔で終わることができた私の陸上人生は、百点花丸だと自負させてください。その陸上人生を彩ってくれたチング達には、さらに百点をあげないとですね!素敵な人たちに出会わせてくれて、ありがとう陸上!