関東インカレコラム「ケセラセラ」

こんにちは。
東京学芸大学陸上競技部、E類生涯スポーツコース4年の伊藤桃子と申します。七種競技をやっています。
愛知県私立中京大学附属中京高等学校出身で、よく出身地も愛知県だと思われがちなのですが、実は出身は三重県です。

この度、関東インカレに向けてコラムを書かせていただく貴重な機会をいただき大変光栄です。
最終学年、また陸上競技歴10年目に突入したので、競技人生を振り返りながら、第102回関東インカレへの想いを書かせていただきたいと思います。拙い文章は書かないように頑張ろうと思うのですが、ぎこちない文章になってしまうと思います、すみません。

私は陸上を始めるまでは、バスケットボールのクラブチームに入っていて、ずっと大好きなバスケットボールをやっていくのだろうと思っていましたが、色々な出来事があり、中学校から陸上競技を始めました。個人種目では頑張って県大会入賞、東海大会に出れることがやっとの選手でしたが、中学3年生で始めた四種競技という混成種目で一気に全国大会入賞まで出来たことで、混成選手になりました。体力は割とある方で、なんでもやりたがりの性格だったのでどんどん混成種目の魅力に引き込まれ、混成競技歴も8年目に突入します。三種目増え、七種競技になった高校でもどんどん記録が伸び、陸上に夢中になりました。

大学に入学し、1年目は低い記録なのに結果は残るような年で、心からは喜べなかった思い出です。冬ごろから立て続けに怪我をしてしまい、2年目は全く結果も残せない年でした。いろいろなことが重なりこの1年間は、1番辛い時期だったなと思います。ずっと1番近くで応援してくれている家族からは、頑張れという声掛けから、もうそんなに頑張らなくてもいいんだよと言われるようになりました。あんなに大好きで熱中していた陸上が辛いと思うようになりました。負けるくらいなら出なくないという幼稚な考えも出てしまいました。こんなことを考えている自分が、とても嫌でした。それでもグラウンドに行けば、大好きな同期や仲間が一生懸命練習をしていて、それを観ているだけでも元気が出たし、元気に声をかけてくれて、私の悩みを軽くしてくれる人達ばかりでした。ずっとモヤモヤが取れませんでしたが、そんなことを考える前にもっとやれることがたくさんあると思うようになり、次へ繋がる悩みへと変わっていきました。今思えば、勿体無い時間を過ごしてしまったとも思うけれど、私には必要な時間で解決することができて本当に良かったです。

3年生になってからは環境が変わり、自己ベストに近い大学ベストを出すことが出来ました。目標からは程遠い記録でも、復帰の兆しを感じることができました。しかしまた怪我をしてしまい、関東インカレを最後に試合に出ることができませんでした。3年生の冬季からは、練習環境を変えさせていただき、いい調子で迎えられそうだった学生個人の2日前に怪我。確実に自分の足りていない部分が見えた怪我でした。悔しい、なにやってるんだろう、と自分に絶望しそうな気持ちでいっぱいでしたが、今やるべきことは何かが、どんどん浮かんできて昔の経験が活かされたように感じました。応援にだけ行った学生個人では、みんなの競技を見て、とても刺激を貰い、普段応援してくださっている方々にも声をかけていただき、どんなに記録が出ていなくても応援してくれている人が多くいることを実感しました。

次の試合は関東インカレです。
何不自由なく大好きな陸上をさせてくれて、どんな大会でも見に来てくれたりサポートしてくれる”家族”、切磋琢磨して常に刺激をくれる”仲間”、他にたくさんの強い選手を見ているのに、記録の出ていない私も本気で育ててくれている”コーチ”、日々応援メッセージをくださる方々、その他多くの関わってくださっている方々に感謝の気持ちを持って、自分自身に喝を入れて、挑みます。

先日、関東インカレの標準切りも終わり、標準を切れた選手、全力を尽くしても標準が切れなかった選手がいるはずです。みんなが切れたらどれだけ嬉しいことかと思うけれど、それは難しいお話です。苦しくて、思い出すだけで涙が出てしまう選手もいるんじゃないかなと思います。でも、それってそこまで全力で挑戦できた証だと思います。週に2回、集合日でそれぞれの頑張りを見ている人が必ずどこかにいます。関東インカレの標準切りは終わってしまったけれど、次は全日本インカレや他の大会も多くあります。終わりじゃないです。
よくある言葉だけど、試合に出れる選手はもちろん頑張る。でも出れない選手も一緒に戦ってほしいんです。私は不安な時、特に観客席を見てしまいます。応援してくれている人を見ると元気が出て、不安な気持ちから、やるぞー!って気持ちに変われるからです。そんな時、ずっと一緒に頑張ってきた皆んながいるのを見れたら、私もっと頑張れます。他の選手もきっと同じなんじゃないかと思います。だから、応援という形だけど私からしたら応援は一緒に戦ってくれてるっていう気持ちになります。みんなが私を、選手を、強くできます。

それでも、どうしても辛い時はケセラセラです。きっと誰しも辛い経験をしていると思います。もうどうしても辛い!という時、お父さんに教えてもらったケセラセラ〜(なるようになるさ〜)と思うと何だか楽になるのです。選手の人も、緊張したり、思うように体が動かなくて焦った時はケセラセラ〜で、自分を落ち着かせてください。もしかしたらお父さんパワーで、他の人には効かない言葉だったらごめんなさい。辛いことたくさんあるけど、同じように時間は過ぎていくので、なるべく早く切り替えて次への成長に繋げられる行動を取れるようにと、最近は心がけています。

入学した頃、”4年間はあっという間”とよく耳にして、なぜか私はあっという間と思いたくないなと思ったことを今でも思い出します。でも、本当にあっという間に4年生になるものです。
少し前の話ですが、家が近くよく一緒に帰る同期と、「大学生最後の桜終わっちゃったね。」と自転車に乗りながら話していた時、あ、このメンバーで陸上出来るのって本当にあと少しなんだなと思って寂しくなりました。何をしても、”最後”がつく年になってしまったけど、だからこそ、みんなと勝ちたいし、喜びたいです。

どれだけうまくいかなくても、自分だけでも自分自身に希望を持ち、期待をして、これからも目標に向かって過ごす!たくさんお世話になった東京学芸大学陸上競技部に貢献できるように、ラストシーズン頑張ります。

陸上競技を始めたおかげで、心身ともに熱中できるものと出会い、素晴らしい方々と関係を築くことができ、とても嬉しく思います。自分自身の喜びももちろんですが、周りの人たちが私の競技を見て、心に何か刺さるものがあれば幸いです。

ラストシーズン、みんなが笑顔で過ごせますように。

混成ブロック4年 伊藤桃子