1年生コラム「自責を実績に」

男子短距離ブロック1年の金田康佑です。この度部員コラムを書かせていただくことになりました。つたない文章ですが、私の陸上復帰のいきさつと現在の思いについて読んでいただけると幸いです。

私は浪人期間を含む約1年半のブランクを負って陸上競技に復帰しました。かなりの不安要素を抱えながら。第一志望の大学受験に 2 度失敗し、3 月末まで進路が決定しなかったため体力を戻す暇がない。部員名簿やインスタグラムの過去の投稿を見ると、なんと都内国公立大学でもトップクラスの強豪、ましてや他の1年生も高校時代上位大会で活躍していた選手ばかり。体力の面でもメンタルの面でも絶望的でした。それでも私が復帰を志したのは、ディスアドバンテージを感じて尚有り余るほどの大きさのコンプレックスを解消するため、そして何より先輩方が私の事情を知りながらも受け入れてくださったためです。

高校3年の夏、東北高校総体 200m決勝。4×400mリレーで準決勝敗退を期した母校陸上部にとって、私はこの年のインターハイ出場の可能性を持った最後の一人になりました。先生や部員の期待を背負って(背負った気になって)臨んだこのレース、私は組最下位で高校陸上を引退することになりました。他の選手の招集遅れによる進行トラブル、予選・準決勝の組分け、風の運の悪さ等々、考え得る些細な原因は多岐にわたりますが、当時の私はそれらの根本にある自分の甘さをどうしても許すことができませんでした。復帰までの1年半の間の私は、このレースが話題に挙がると責任逃れの言葉を羅列しながらも心の中では自責の念に押しつぶされそうになっていました。この最悪な状況・コンプレックスを解決する術は私にとっては陸上復帰、そしてより良い結果で上書きすることの他になかったのです。

現在私は復帰から5か月が経って尚、大学初戦を迎えることができていません。主な原因は怪我の長期化ですが、体力や筋力の衰えの不安が残っていることがレースを後回しにしてしまっていることも事実です。それでも学大陸上部の先輩方や同級生達は私の悩みを理解し、いつも前向きな言葉を投げかけてくれます。特に4年生の先輩方はご自身が引退なさった後にも私が成長できるようにと様々なアドバイスをくださいます。試合に出て自分の復旧・成長具合を具体的に感じ取れることもできずに苦しむ日々ですが、学大陸上部の人の環境のお陰で「復帰してよかった」と声を大にして言うことができるようになりました。入部前の不安が陳腐なものにさえ思えます。そう捉えることのできるようになった恩返しをするべく、ありきたりな言葉にはなりますが、自分の走りで学大陸上部に貢献したいと強く思うのです。