1年生コラム「夢中」

失礼します。山梨県駿台甲府高校出身、A 類保健体育コース 1 年の城山愛衣です。女子短距離ブロックに所属しています。
この度、コラムを書く機会をいただきありがとうございます。拙い文章ではありますが、私の陸上への思いについて書かせていただきたいと思います。

私は小学生の時にテレビで見た駅伝競走に魅せられ陸上競技を始めました。走ることが大好きだった私にとって、週に 3 回あった陸上クラブでの練習が楽しかったことを覚えています。それから中学・高校を経て、気付けば長距離から短距離へと転向し、必死に練習に取り組んできましたが、納得のいく結果を出せた試合はほんの僅かです。特に高校生の時は、中々記録が伸びず、南関東大会に出場した際には全く勝負にならない記録を出す自分に劣等感や嫌悪感を覚えていたため、勝負することが怖いとすら思っていました。
そんな時、ある先生から、為末大さんの「生き抜くチカラ」という本を勧められました。実際に読んでみると、心温まる優しい絵と、これからの陸上競技だけでなく人生の礎になるような言葉がたくさん書いてあります。その本の中にこんな言葉があります。
『「努力」は「夢中」に勝てない』
初めてこの文章を見た私は、なかなか理解することができませんでした。しかし大学生になった今、改めて考えてみると、記録に囚われすぎていてとにかく焦りながら努力をしている時よりも、陸上が楽しくて夢中になっていた時のほうが、たとえ失敗したとしてもそこから学べることを探し、次に繋げようと前向きでいられたように感じます。
今でも、何かに挑戦するときや試合に出場する時は、とにかく不安です。未だに自分の記録や競技成績を周りと比較しては落ち込んでしまいます。それでも不安を払拭しようと、苦しい努力を根気よく続けるのではなく、たとえ立ち止まってしまったとしても焦らず 1 歩ずつ確かな努力をしていきたいです。

きっと大学 4 年間の中で挫折を経験することもあるかもしれません。それでも、私の周りにはずっと背中を押してくれる家族や先生方、陸上に夢中になって日々の練習に励みながらも、沢山の笑顔や希望をくれる仲間がいます。こんなに素敵な環境にいるからには、自分らしさや目標を見失うことなく、陸上に夢中になってがむしゃらに頑張りたいと思います。